京都の地で仏具製造卸売商として創業してから90年。
私たちは、さまざまな困難を体験するうちに、仏具の役割とは何か？からはじまり、人とは、生まれるとは、生きるとは、命とは、苦しみとは、悩みとは？…尽きることのない問いについて考えるようになりました。
人はこの世に生まれてから、喜怒哀楽を何度も繰り返します。良いこともあれば悪いこともある、むしろ悪いことのほうが多いかもしれません。

では、そんな時どうすればいいのか？

人間は自然の一部です。その自然にとって必要不可欠なものとして、心体を与えられ存在しているのです。
そう考えると、自然に逆らうのではなく、その流れにもう一度合わせ直せばいい。

そこで「遊戯（ユゲ）」です。

「遊戯」とは何ものにもとらわれず自由自在に移動する事を言い、仏教的に言い換えると、どんなことが起ころうとも自分の心を自由自在に変化（へんげ）させるという意味です 。

例えば、
水は器が四角ければ四角に収まる。
器が丸ければ丸くなる。
凍らせば固く（固体）なる。
熱すれば湯気（気体）になる。
ときときの状況に合わせて変化自在に形を変えます。

なにか困ったことや困難が起きた時 、心や考え方もこのように自在に変えられると楽になります。答えは一つではなく、その時その状況によって、一人ひとり違った対処の仕方になるでしょう。時間がかかるかもしれません。

しかし、そのとき大変であったとしても、なるべく嫌な気持ちを持続させない、引きずらない、他のことに気を向けるなと、自分の心を自分でコントロールするのです。自分で自分の心を変化（へんげ）させる。

これが「遊戯」なのです。
みなさんも、心をコントロールしましょう。